接骨院・整骨院(柔道整復師)及びはり・きゅう・マッサージにかかるとき
柔道整復師にかかるとき
柔道整復師にかかるときは、健康保険が使えるかどうか、次のように細かく決められています。正しいかかり方を心がけてください。
健康保険を使うことができるケース
外傷性※が明らかな、骨折、脱臼、打撲・捻挫(肉離れを含む)
柔道整復師の施術を受けて健康保険が使えるのは、”外傷性の急性のケガ”だけです。
骨折・脱臼については、応急手当として行う、やむを得ない施術を除き、あらかじめ医師の同意が必要です。
- 外傷性とは、関節等の可動域を超えた捻れや外力によって身体の組織が損傷を受けた状態を示すもので、身体の組織の損傷の状態が慢性に至っていないものであること、とされています。
例えばこんな時
- (私用で)外出先へ行く途中、駅の階段で足を踏み外して捻挫した
- サッカーの試合で相手選手と接触して転び、打撲した
- スキーで転んで骨折した *応急手当を除き、医師の同意が必要
健康保険を使うことができないケース
- 五十肩や疲労性・非外傷性の肩こり、腰痛、頸部痛および関節痛
- スポーツや仕事、家事労働による筋肉疲労から生じた各部位の痛み
- 外傷性の打撲、捻挫が治ったあとのマッサージなど
- 負傷がいったん治癒したあと、数か月経過して同一負傷部位が自然発生的に痛みだした場合
- 症状の改善がみられない、長期的な漫然とした施術
- 数年前の骨折や捻挫などが、日常生活の疲れなどにより痛み出した場合
- 過去の交通事故などによる頸部、腰部、関節などの痛み
- 眼精疲労や内臓疾患に起因する肩こり、腰痛、頸部痛
- 神経性による筋肉や関節の痛み(リウマチ、関節炎など)
- 脳疾患後遺症などの慢性疾患
- 医師の治療を受けながら、同時に柔道整復師の施術を受ける場合
- 負傷年月日や負傷原因がはっきりしない負傷(痛み)
- 仕事中、通勤途中でのケガ(労災保険が適用)
健康保険証を使用していた場合(2割・3割負担)は、後日、全額返還(10割負担)していただくことになりますのでご注意ください。
健康保険で施術を受けるときは
柔道整復師が施術を行う整骨院・接骨院は、医師がいる病院や診療所とは違います。ですから、整骨院・接骨院で健康保険が使えるケースは限定されており、その支払い方法も病院とは異なります。
整骨院・接骨院では、本来、患者が費用の全額(10割)を支払った後、患者自身が健保組合へ請求し、自己負担(2割または3割)以外の部分を「療養費」として払い戻してもらう「償還払い」が原則です。
しかし、整骨院・接骨院については、患者が自己負担分(2割または3割)のみを支払い、残りは柔道整復師が患者の代わりに健保組合へ請求する「受領委任払い」という制度があります。この「受領委任払い」の場合、柔道整復師が患者に代わって健保組合へ保険請求を行いますので、患者は、施術を受けた際に「療養費支給申請書」への署名が必要になります。この申請書には、被保険者が柔道整復師へ金銭の授受を委任した証として、自署することが法律により定められています。そのため、「療養費支給申請書」に署名をする際は、負傷名、負傷日、負傷原因、施術を受けた日数、自己負担した金額、住所、氏名などに誤りが無いか、よく目を通して確認してから署名するようにしてください。
整骨院・接骨院の中には、何も書かれていない「療養費支給申請書」に、ただ署名をするよう促してくるところがあり、言われるがまま署名をしてしまいますと、後で患者の知らないところで金額が記入され、水増し請求、不正請求に知らないうちに加担することになってしまいますので、ご注意ください。そうした事実があった場合、あとから患者に施術費の支払いが求められる可能性もあります。
また、柔道整復師には、患者に領収書を無料で発行することが義務付けられていますので、施術を受けたら必ず領収書をもらい、保管しておきましょう。あわせて負傷した部位、施術の内容、施術の年月日などを詳細にメモを取っておくと安心です。
【内容点検】を強化します!
当健保組合では、被保険者の皆様からお預かりしている大切な保険料を、公平かつ適切に運用し、医療費の適正化を図るために、これまでにも柔道整復師(整骨院・接骨院)から届いた請求書の点検、被保険者へ施術内容の照会などを行ってまいりましたが、柔道整復師の請求において、“健康保険の対象外となる施術、架空請求、水増し請求といった不適切な請求”が、残念ながら見受けられます。
つきましては、この度さらなる医療費適正化対策として、柔道整復師の施術内容等の確認を強化いたします。保険組合から、照会文書等が送付されましたら、返送期日までの回答にご協力をお願いします。
はり・きゅう・マッサージでの施術で健康保険が利用できる場合
下記の疾患で、医師の同意書または診断書を提出したものに限り、健康保険を利用することができます。
はり・きゅうの場合 | マッサージの場合 |
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リウマチ 腰痛症 神経痛 五十肩 頸腕症候群 頸椎捻挫後遺症 |
関節拘縮 筋麻痺 *マッサージは原則として病名ではなく症状に対する施術となります。関節が自由に動かなかったり、筋肉が麻痺しているなどの症状があり、治療上マッサージが必要と認められれば健康保険の対象となります。 |